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◆コマツ兼CEO野路国夫氏の、メッセージが載っている。「現場を知ること」、「チームワーク」、「多様性」の大切さを若者にメッセージしている内容だ。
○野路社長は、1969年(昭和44年)に入社。当時からコマツは建設機械をどんどん輸出していたから、海外で仕事ができると思って就職先をコマツに選ん だ。しかし、配属されたのは、ブルトーザーなどの耐久性や作業性を調べる実験部。勤務先の神奈川県太井町の山の上で、「へき地手当」が支給される程の現場 に配属された。実験部には結局12年いたが、最初の5年間は全て体で覚えた。
○この5年間に肌身で感じたのは、①花形の設計や生産技術あるいは研究所や工場にいなくても技術を学べた。②建設機械が現場でどう使われているか、③使う人がどこで苦労しているか、④毎日単純作業をどう繰り返しているかその人たちの気持を学んだ。
○また、この間に現場で学んだ点は、①現場を知り、②現場の人たちとのコミニケーションすること。③その後、コマツの体質でもある多様性の認識を持つことの大切さを学んだ。このことは、現場で生かすのがコマツの流儀である。
○現場で知ったこと、その1:例えば「品質管理」。仮に組立て作業者が配線ミスをしたとする。ふつうは、作業者の教育・訓練を考えるところが多いだろう。 コマツは違う。①まずミスの原因を探す。②それからその原因を上流工程にまでさかのぼり、工程設計や組立て冶具を見直す。③さらに必要ならば車体構造まで 検証する。④この作業を入社2、3年の設計屋や生産技術者がする。⑤現場の確認と検証を繰り返す。経理の場合も同じだ。よく分からない伝票整理をする時 に、「その他」で整理することが多い。コマツの場合は、現場に行って現場の人の話しを聞いて、仕組みを理解し、構造改革などに結びつけるヒントを得るので す。自分の知識や経験の範囲内だけの考え方だけでは、新しいビジネスの創出や改革は図れない。
○現場で知ったこと、その2:チームワークの重要性。自分1人でできることには限界があります。部署や強力会社の助けがあるからこそ仕事が成り立つ。この ことを若い時に学ばなければなりません。そのためには、いろいろな人々とコミュニケーションが取れないといけない。信頼の持てるチームワークとコミュニ ケーションがあって初めて、何でも話せる相手が集まり、苦しい時があっても、長い会社人生をやっていける。自分のためでもある。
○現場で知ったこと、その3:多様性の認識である。コマツは現在、連結売上高の8割を海外から稼いでいる。当然、社員の半数以上が外国人である。相手の文化を理解し、認め合うことから全ての仕事がスターしているからだ。
◇どんきほ~て:「現場力」と云うことが良く話題になる。このことは大きな組織で、よく議論される概念であるように思う。「なぜ、現場力」なのか、よく分 からないが、この広告の野路社長の原体験の中から、幾つかのヒントがるように思って取上げてみた。すなわち、「現場と云う生の世界」(そこには、生産、創 る、生活するなどの人間が行う営みがある小世界であり小宇宙である)に「科学的な知識や発想力で現場に光を当てること」(具体的には野路社長のような若い 2~3年の新入社員)こと。この現場と光の相乗作用が「現場力」なのかも知れない。だから、日本の大きな組織では、現場体験を優先させる習慣があるのかも 知れない。その場合、現場に埋没してはいけない。現場に光を当てて昇華すること(改善して行くこと)が必要なのだろうと思う。そのプロセスがコマツは「コ マツは違う!」方式で「現場の原体験を」を設計に生かし、生産技術に生かし、モノづくりに生かし、改善・改革に、体系的(コマツ方式)で生かしたのかも知 れないと感じた。
◇それから、「現場は現場で終わらせない!」と云う発想が「コマツ方式」にはあるようだ。なぜなら、解決すべき課題を、①上流・下流(縦)に、②工程(横)に、③創造・改革に落とし込んで課題を解決しようとする姿勢があるように思うからだが・・。